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友達稽古3日目

稽古場日誌3日目




おはようございます!

熊谷です(*^^*)



日中と朝晩の気温差が激しいですね。

おかげで、パジャマをどれにすべきか熊谷は毎日悩んでおります()




これまでの公演の稽古場日誌を読んでくださっている方々はご存知だとは思いますが、

第一主義は、台本の読み合わせをとても大事にしております。


単語のアクセントの統一、お芝居全体の雰囲気の確認、

役者同士の、また、演出目線での役作りの方向性の確認、

会話のテンポ感など、

稽古の第二段階である立ち稽古に入る前に、様々な確認と作り込みの作業をしっかりと行うためですm(_ _)m


というわけで、

本日ももちろん読み合わせの稽古!


稽古中だと撮れないのでぷち休憩明けにパシャリ。


一部楽しそうにしている方々がいらっしゃいますが()

稽古は真面目にしているんですよ!


あれ?

普段ふざけているみたいな言い方()




……ですが、

今回の稽古はご覧の通り、

参加人数がちょっと少なめ(TдT)



今回のお芝居、

ざっくりと分けますと、

主役の女性と、その女性を訪ねてくる7人の大家族に分けられます。


そして、この8人の役は、

なんと!

ほぼ全部のシーン出ずっぱりなのですっ!



70ページある台本のうちほとんど出ているですって?!


まぁ、お芝居としては比較的よくあることなので、

そこに驚きはほとんどないのですが、

問題は今、稽古しているときです。



大家族の一員が何人もいないと読み合わせができないんですω;`)



そんな状況に陥ってしまった本日の稽古。


ですが、

前回お休みだった方が揃っていますので、

その方たちのお芝居の方向性は確認したい



というわけで、

一部代役でどなたかに読んでもらいつつ、

前回も読んだ短めのシーンからまずは稽古開始。


今回初めて聞く方々のお声を確認です



そして、そのあとは、

前回の続きのシーンから。


前回お休みだった方々には申し訳ないのですが、

お話がかなり進んでいるシーン、お芝居の後半戦へと突然飛び、

そしてそのまま最後まで。



お察しの通り、

主役である女性役の熊谷はもちろんずっと出ているシーンなのですが、

いやぁ、、、


難しいなぁ今回の台本()




内容自体も、

岩橋さんの台本の何倍も、

起承転結がなく、不条理で、どれが比喩でどこまでが比喩なのかもすぐには理解できない「友達」。


本の内容やテーマを噛み砕いていく作業ももちろんなのですが、

いえ、今回の稽古で熊谷思いました。


「この台本、会話をしていない!」



シーンを一気に飛ばして読み合わせをしたお芝居後半戦、

熊谷と、いつもお世話になっている、村尾オサムさんとの二人のシーンだったのですが、

台本の会話上、ちゃんと受け答えをしていないんですよ。


問いかけや呼びかけをしてくる村尾さんに対して、

別のことが気になってそれにちゃんと返事をしない熊谷の会話のシーンなので、

熊谷のお芝居プランとして、

「聞いているようで聞いていない」というお芝居をしてみました。



ですが、

……あれ?なんか気持ち悪いし、会話していないとしても、ちょっと相手の話を無視しすぎだよぁ、、、


と感じまして。



これがまた、

村尾さんが、しっかりと相手役である私にちゃんと呼びかけをしてくださっているので、余計にその違和感があって。




この違和感はなぜか、を隙間時間で、演出の沢渡さんに訊ねてみたところ、

「会話はしていないけど、相手の話を聞いていない、受けていないわけではない。」というアドバイスが。




うーん、、、

わかったようなわからないような、、、


台本上は「会話」というやり取りをしているが、

個々の役として、その会話の受け答えをちゃんとしているわけではない、

しかし、相手の話を聞いてはいる、

という、なんともちぐはぐ感があるようなお話。



……むむむっ


難しいぜ「友達」!!



このアドバイスに囚われすぎてはいけないのですが、

次回以降の稽古ではしっくりくる他のお芝居プランを練ってこなければ。



読み合わせ中だからこそより専念できる、お芝居づくりの工程ですね





さて、「会話していない台本」つながりで、

本日の稽古のトピックをもう一つ。



「お芝居をお客さんに向けてするのではなくて、

お客さんが舞台上で起こっていることを覗き見ているような、そんなお芝居にしたい。」



お芝居って、

やっぱり見世物。


ですので、お客さんに楽しんでいただくのが一番大事ですので、

どうしても、お芝居、というより舞台の見せ方として、

「前を向いてセリフを言う」という手法があります。


歌舞伎で言うところの、

「見得を切る」という見せ方が、一番例としてわかりやすいと思うのですが、

これは、舞台だからこその見せ方。


「私の見せ場のシーンはここですよ!」と、

お客さんにわかりやすくお伝えするための方法ですね。



会話劇というジャンルの舞台でも、この手法は使えるのですが、

この手法はやはり、演出のその時々の方向性によってどれだけ使うかが変わってきます。




この「見得を切る」「前を向いて、客席側に向かってセリフを言う」というのは、

実際に役者の体の向きですねだけでなく、

役者のお芝居プランの方向性としても、意識しているだけで、

「お芝居の矢印」をお客さんに向けることは可能です。



今までの第一主義、もとい、岩橋さんの台本では、

この「お芝居の矢印」は「お客さんに向ける」のが良い、と判断して、

この手法で今までのお芝居を上演してきました。



しかし、

今回の安部公房さんの「友達」では、

この手法はベストではない、と、演出の沢渡さんは判断している模様。



本の内容も相まってですが、

表面上は会話をしているけれども、会話というアクションリアクションがちぐはぐな今回の台本。

個々の役が台本上で向けているお芝居の矢印を、

「相手役」と「お客さん」の二方向ではなく、

「相手役」の一方向だけにすることによって、

演出の狙いである「お客さんが覗き見ている」ようなお芝居に仕上げていこう、というのです。




……う〜ん。

わかったようなわからないような、、、



ちなみにですが、

前回の「ほにゃらら殺人事件」は、

「見得を切る」という手法をふんだんに使っていたお芝居です()


そういう意味では歌舞伎的だった前回のお芝居と、

それとは全く逆の見せ方をしようとしている、今回のお芝居。


演出の沢渡さんも、演出の方針をかなり悩んでいるよう。



長年、演劇人がこの台本に挑戦したがる理由の一つが、ここにもあるのでしょうか?

いえ、単純に台本として面白いのですが()



ですがその分、

「歌舞伎的方法を多用すると、今回の台本の筋を間違えて、お芝居づくりを失敗しそうな気がする。」という懸念も同時に感じているよう。



第一主義的新たな挑戦の第一弾は、

かなりの強敵から始まっておりますね()




前回お休みだった方々のお声の確認、

また、一応全てのシーンの読み合わせを今回で一通り終えて本日の稽古は終了!


いつもより早めに終わったのですが、

いや、終えざるを得ないんです。


だって人数が少ないから(>人<;)




稽古時間は短かったですが、

演出方針の濃ゆ〜いお話はできました。


ちょっと哲学的なお話ばかりになっちゃいましたが、

本日の稽古場日誌はこれにて。


ぷち哲学者気分の熊谷でした()



ではではまた(*^^*)




熊谷